太陽光発電の売電は11年目以降の価格はどうなる?問題と対策を整理の記事のメイン画像

太陽光発電とその売電に関心を持つあなたへ。あなたが気になっている「太陽光発電の11年目以降の売電価格」について、本当のところはどうなのでしょうか?FIT制度の終了後、価格はどれほど変わるのでしょうか?また、その後の太陽光発電設備はどう活用すれば良いのでしょうか?本記事ではこれらの疑問を解決するため、FIT制度や売電価格、さらには卒FIT後の選択肢まで、詳しく解説します。太陽光発電の未来を見据えるための情報を手に入れましょう。

太陽光売電の11年目以降問題の前提知識①FIT制度とその影響

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太陽光売電の11年目以降の問題について考える前に、まずはこれまでの太陽光発電の歴史を振り返り、どのような制度が存在したのか、それがどのような影響をもたらしたのかを理解することが重要です。それが、FIT制度とその影響についての我々の議題です。

FIT(Feed-in Tariff)制度とは、日本の再生可能エネルギーの普及を目指すため、2012年に導入された固定価格買取制度です。

この制度は、一定期間、再生可能エネルギーを一定の価格で電力会社が買い取ることを義務付けたもので、電力会社は、買い取った電力を全量販売することが義務づけられています。この制度のおかげで、太陽光発電の設備投資を行うメリットが増し、国内の太陽光発電設備の導入が大幅に増えました。

しかし、FIT制度には期限が設けられており、その期限は設備の種類によって異なるものの、太陽光発電の場合、通常は10年または20年となっています。この制度が終了すると、電力会社の買取義務が解消され、発電者は新たな売電先を探さなければならなくなります。これが、いわゆる「太陽光売電の11年目以降の問題」の始まりなのです。

FIT制度の終了に伴い、太陽光発電設備を持つ者たちは、新たな買取先を見つけるだけでなく、それまで享受していた固定価格による安定した売電収入から離れ、市場価格による売電収入に切り替える必要があります。この変化は、一部の発電者にとっては大きな影響を及ぼす可能性があり、その対策が求められています。

太陽光売電の11年目以降問題の前提知識②FITの固定価格買取制度を知る

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太陽光発電売電の11年目以降の問題をより詳しく見ていく上で、FITの「固定価格買取制度」について理解することが必要です。この制度がなぜ導入され、どのように影響を及ぼしているのかを知ることで、11年目以降に直面する課題の本質をつかむ手がかりとなります。

卒FITとFIT制度の解説

まず、FIT制度とは何か、それが我々にどのような影響をもたらしているのかを具体的に見ていきましょう。

FIT制度とは、再生可能エネルギー源から発電された電力を、一定期間固定価格で電力会社が買い取るという制度です。

つまり、私たちが太陽光発電を導入することで、その発電電力を安定的に売ることができ、その収益が再投資や設備のメンテナンスコストを補うことにつながります。

しかし、このFIT制度は、導入から10年間という期限があり、それを超えると「卒FIT」という状況に直面します。

卒FITとは、FIT制度の保証期間が終了し、固定価格買取が終了する状況を指します。この時点で、電力会社が買い取る価格は大幅に下がり、その影響は太陽光発電設備の運用に大きく影響を及ぼします。

太陽光発電売電の未来:11年目以降の展望

それでは、11年目以降の太陽光発電売電の展望について考えてみましょう。

卒FITを迎えた後の選択肢は、基本的に二つあります。一つは売電を続ける方法、もう一つは自家消費に切り替える方法です。

売電を続ける場合、FIT制度の保証がなくなったことにより、売電価格が大幅に下がることを理解しておく必要があります。一方、自家消費に切り替える場合電力会社から電力を買う必要が減りますが、自家消費だけで全てを賄うことは困難な場合もあります。また、過剰な発電電力は電力会社に売ることが可能ですが、その価格はFIT制度時代と比べて大幅に下がることを覚悟しなければなりません。

いずれにせよ、卒FIT後は事前の準備と戦略が必要になります。新たな売電相手を見つける必要があるか、または自家消費のためのシステムを構築するか、このどちらかを選択する必要があります。特に、自家消費を選択する場合は、発電量と消費量のバランスをしっかりと管理することが求められます。

これらの点を踏まえて、次節では11年目以降の具体的な問題点とその対策について詳しく見ていきましょう。これからの太陽光発電の未来を見据えるためにも、具体的な情報をしっかりと掴んでおくことが重要です。

11年目以降の問題点・価格

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さて、これまでに学んだ太陽光発電の11年目以降の問題の前提知識をもとに、具体的な問題点と価格の変動について詳しく見ていきましょう。この部分の理解が深まることで、未来の対策立案や選択肢の評価につながります。

11年目以降で売電価格はどれくらい下がる?

まず最初に気になるのは、FIT制度終了後の売電価格ですよね。正確な数値は電力会社や市場状況によりますが、一般的にはFIT制度時代の半分以下に下がるとされています。これは、太陽光発電設備の運用に大きな影響を及ぼし、収益性が大きく変わるため注意が必要です。

2019年の太陽光発電問題とは?

さらに、2019年に起きた太陽光発電の問題も見ておきましょう。

この年には、FIT制度下で申請されたが未稼働の太陽光発電プロジェクトに対し、電力会社が買取を拒否するという事態が発生しました。これはFIT制度の保証期間内でも電力会社との契約内容により売電価格が変動する可能性があることを示しています。

将来的に太陽光は売電できなくなる?

一部では、「将来的には太陽光発電からの売電自体ができなくなるのでは?」という懸念もあります。しかし、これは必ずしも真実ではありません。再生可能エネルギーの普及が進む中、売電自体が不可能になることは少ないと考えられます。ただし、売電価格や買取体制が変わる可能性は十分にあり、適切な対策と準備が求められます。

卒FIT後の選択肢:売電継続 vs 自家消費

そして、卒FIT後の選択肢として「売電継続」か「自家消費」のどちらを選ぶかが重要なポイントとなります。売電継続を選ぶ場合は、新たな電力会社との契約交渉や買取価格の下落に対するリスク対策が必要です。一方、自家消費に切り替える場合は、自宅や施設の電力需要と発電量のバランスを取るための戦略が求められます。

さらに、自家消費に切り替える場合には、蓄電設備の導入や余剰電力の売電、電力消費の効率化なども考慮する必要があります。これらの選択肢の詳細については、次節で具体的に見ていきましょう。

ポイント

11年目以降の太陽光発電の売電は多くの課題を含んでいます。しかし、これらの課題を理解し、適切な対策を立てていくことで、太陽光発電の可能性を最大限に活かすことができるでしょう。

卒FIT後の選択肢は売電継続と自家消費の2択

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これまでの情報を元に、太陽光発電のFIT制度終了後、即ち卒FIT後の選択肢を具体的に見ていきましょう。基本的には「売電継続」と「自家消費」の2つが主な選択肢となります。

売買継続を行うなら買取業者の切替がベター

まず、「売電継続」を選択する場合、現在の電力会社との契約を見直すことが求められます。

FIT制度下では安定した高価格での売電が可能でしたが、卒FIT後は市場価格に左右されるため、買取価格の高い電力会社を見つけることが重要となります。

売電継続の具体策:買取業者を変える

具体的には、各電力会社の買取価格を比較し、最も有利な条件を提供している会社に切り替えることを検討しましょう。

この際、契約期間や違約金、買取条件なども詳しく確認しておく必要があります。新たな買取業者との契約は、自身の太陽光発電設備の状況や電力市場の動向を踏まえながら行うべきです。

一方、もう一つの選択肢である「自家消費」については、発電した電力を自身で使用し、電力会社から電力を買う量を減らすという方法です。次節ではこの自家消費について、また選択する場合のメリットや戦略について詳しく解説していきます。

お得に売電できる買取先企業を紹介

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それでは、「売電継続」を選択した場合の重要なポイントである買取先企業について掘り下げていきましょう。卒FIT後の買取価格は、企業によって大きく異なります。ここでは、条件が良く、安心して売電できるいくつかの企業を紹介します。

まず考えるべきは、大手電力会社です。

東京電力や関西電力、中部電力などは全国的に対応しており、安定性が魅力です。また、新電力会社も選択肢として挙げられます。ここ数年で多くの企業が電力販売市場に参入し、競争が激化しています。新電力会社の中には、比較的高価格で買取を行っている企業も存在します。

それぞれの企業が提示する買取価格、契約条件、サービス内容をしっかりと比較し、最も自身の状況に合った企業を選ぶことが重要です。また、一度契約を結んだからといってずっとそのままでいる必要はありません。市場状況や自身のライフスタイルの変化に応じて、契約を見直すことも考えましょう。

自家消費へのシフト:メリットと戦略

一方、「自家消費」を選択する場合、買取価格の変動に左右されず、安定的に電力コストを抑えることが可能です。余剰電力の売電も可能なため、電力の使い方次第でさらなる節約が見込めます。

ポイント

自家消費を行う上で重要なのは、発電量と消費量のバランスを管理すること。蓄電システムを導入することで、発電した電力を効率よく活用することが可能です。また、スマートメーターやエネルギーマネジメントシステム(HEMS)を利用して、電力の使用状況を把握し、消費電力を効率的にコントロールすることも有効な手段となります。

その他の選択肢:自家消費で続ける

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太陽光発電のFIT制度終了後、売電を続けることに疑問を感じている方にとって、自家消費は魅力的な選択肢となるでしょう。

自家消費とは、自分が発電した電力を自分で使うことです。では、具体的にどのように自家消費を行うのか、そのメリットや注意点について解説していきます。

自家消費メインにシフトする場合

自家消費をメインにする場合、まずは自身の電力消費パターンを把握しましょう。どの時間帯にどれだけの電力を使用するか、また、発電設備からどの程度の電力を得られるかを把握することで、より効率的な電力の使用が可能となります。

蓄電池の導入も考慮に入れてみてください。日中に発電した電力を蓄えておけば、夜間や曇天時でも安定して電力を利用することができます。これにより、電力会社から電力を買う必要が減少し、さらなるコスト削減が可能となります。

10年後に自家消費へ切り替えない場合はどうなる?

自家消費へ切り替えない場合、電力会社からの電力購入が増え、電気料金が上昇する可能性があります。

一方で、発電設備のメンテナンスに手間がかからないという利点もあります。ただし、長期的に見れば、自家消費へのシフトが電力コストを大きく削減できる選択と言えるでしょう。

卒FIT後の電力管理:余ったら売電

また、自家消費メインでも余った電力は売電することが可能です。

自宅で使用できないほどの電力を発電してしまう場合や、蓄電池がいっぱいの場合には、余剰電力を電力会社に売ってしまうのが良いでしょう。これにより、自家消費による電力コストの削減と売電による収入を同時に享受することができます。ただし、ここでも買取価格は電力会社によりますので、自身の状況に最適な企業を選ぶことが大切です。

ポイント

これらの情報をもとに、自身のライフスタイル、発電量、電力の消費パターンなどを考慮に入れ、最適な選択を行うことが重要です。卒FIT後も、太陽光発電は持続可能なエネルギー源として、私たちの生活を豊かにし、持続可能な社会を創造するための重要なツールであり続けます。

 災害用に電気を確保する

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太陽光発電があると、万が一の災害時にも電力を確保することが可能となります。一般の電力網が寸断されたときでも、自分たちで発電しているため、ライフラインを保つことができます。これは、自家消費に切り替えることで特に得られるメリットのひとつです。

太陽光発電と電気自動車:エネルギーの新たな連携

さらに、太陽光発電と電気自動車(EV)を連携させることで、さらに安定した電力供給を確保することができます。EVのバッテリーを蓄電池として使用することで、発電量が不足した時でもEVから電力を引き出し、家庭の電力を補うことができます。

また、太陽光発電を通じて充電されたEVは、災害時には移動可能な電源となります。これは、災害時の避難生活を支える大きな力となるでしょう。

ポイント

これらの方法を利用することで、太陽光発電はただエネルギーを生み出すだけでなく、私たちの生活を守る重要な役割を果たすことができます。これからの時代、エネルギーの自給自足は、より安心で安全な生活を送るための重要な要素となってくるでしょう。

電気自動車との連携

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近年、電気自動車(EV)は持続可能な社会を実現するための重要なツールとして注目を浴びています。そして、太陽光発電とEVの連携は新たな可能性を秘めています。これにより、自宅で発電した電力を使用して、電気自動車を走らせることが可能となります。

太陽光発電の撤去:時期と手続き

しかしながら、ある時点で太陽光発電の撤去を検討することもあります。特に設備の老朽化や家屋のリフォームなどの際には撤去を考えることがあります。

撤去の時期と手続きは設備や契約内容、屋根の状態などによります。撤去には専門の業者に依頼することが多いですが、FIT制度終了後は様々な業者が撤去サービスを提供しています。

また、太陽光パネルは長期間使用すると性能が低下することが知られています。このため、特に設置から数十年が経過した場合は性能のチェックを行い、必要に応じて更新や撤去を検討することが重要です。

しかし、撤去するとなるとそれなりのコストがかかる場合があります。そのため、新規に太陽光発電を設置する際には、将来の撤去コストを見越した計画を立てることが推奨されます。

太陽光発電を撤去

 

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太陽光発電設備の寿命やその他の事情から、いずれは設備の撤去を考えることになるでしょう。ここでは、撤去のタイミングとプロセスについて詳しく解説します。

卒FIT後の手続き:注意点と方法

まず、FIT制度の終了(卒FIT)後に太陽光発電設備を撤去する場合、適切な手続きを行うことが求められます。

撤去作業は専門的な技術を必要とするため、信頼性のある業者に依頼することが必要です。また、設備の撤去だけでなく、適切なリサイクル処理も行われることが大切です。そのため、業者選びではリサイクルに対する取り組みも重視しましょう。

一方で、太陽光発電設備の撤去はコストがかかります。それを考慮に入れ、太陽光発電設備を導入する際には、将来的な撤去費用を含めた総コストを試算し、導入を検討することが大切です。

ポイント

太陽光発電設備の撤去後は、建物の屋根に対する補修や保護も忘れずに行うようにしましょう。屋根材へのダメージを未然に防ぐことで、長期的なメンテナンスコストを抑えることができます。

卒FIT後も売電を継続する場合の手続き

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FIT制度が終了した後も太陽光発電を続け、売電を継続することを考えている方も多いでしょう。しかし、そのためには適切な手続きが必要です。この章ではその具体的なステップを紹介します。

太陽光売電の11年目以降は何か手続きが必要?

まず大切なのは、FIT制度終了後も売電を続けるためには、新たな買取契約を結ぶ必要があるという点です。

一部の電力会社はFIT制度終了後も独自の買取制度を設けていますが、その内容は各社で異なります。そのため、まずは自身が利用している電力会社に問い合わせ、FIT制度終了後の買取制度について詳しく確認しましょう。

そして、新たな買取契約を結ぶためには、再度の申請手続きが必要です。これには書類作成や手数料が発生する場合もありますので、手続きの詳細を電力会社から確認し、準備を進めましょう。

また、FIT制度終了後の売電価格は、FIT制度時代の価格よりも大幅に下がることが予想されます。そのため、売電継続の経済性を正確に評価するためにも、新たな買取価格を把握し、将来的な収支計画を立てることが重要です。

これらの手続きはやや複雑かもしれませんが、適切に対応すれば太陽光発電からの収入を持続的に確保することが可能です。必要な手続きを把握し、太陽光発電からの収益を最大化しましょう。

まとめ

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これまでに説明したように、太陽光発電の11年目以降の選択肢は多岐にわたります。それぞれにはメリットとデメリットがあり、自分の状況や目標に最適な選択をすることが重要です。

今後、エネルギーの自由化が進んでいく中で、太陽光発電はより個々の生活スタイルに合わせた選択が可能になるでしょう。売電を続けるのか、自家消費に切り替えるのか、あるいは電気自動車と連携するのか。自分自身の生活や価値観に最も合った形で、太陽光発電を活用していくことをお勧めします。

エネルギーは我々の生活に欠かせないものです。そして太陽光発電は、そのエネルギーを自分自身で生み出す力を我々に与えてくれます。その力を最大限に活用し、持続可能な未来を築いていきましょう。あなたの太陽光発電の旅が、より良い方向へ進むことを心から願っています。

FAQ

Q : FIT制度終了後、太陽光発電の売電は可能ですか?

 A : はい、可能です。しかし、FIT制度が終了した後に売電を続けるためには、新たな買取契約を結ぶ必要があります。一部の電力会社はFIT制度終了後も独自の買取制度を設けていますが、その内容は各社で異なります。そのため、利用している電力会社に問い合わせ、新たな買取制度について詳しく確認することが必要です。

Q : 卒FIT後の選択肢は何がありますか?

A : FIT制度終了後、太陽光発電の選択肢は大きく分けて二つあります。 一つ目は、新たな買取契約を結び、売電を続けるという選択肢。二つ目は、自家消費に切り替え、発電した電力を自分の家庭やビジネスで利用するという選択肢です。それぞれにはメリットとデメリットがあり、自分の状況や目標に最適な選択をすることが重要です。